【2026年版】期首残高の入力でつまずく人へ|マイクロ法人の設立1期目と2期目以降の違い

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【2026年版】期首残高の入力でつまずく人へ|マイクロ法人の設立1期目と2期目以降の違い

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「期首残高って、何を入れればいいの?」
「入力したけど、貸借が合わないと言われる」
「2期目になったら、また入れ直すの?」

先に前提を整理します。この記事で言うマイクロ法人とは、個人事業を続けながら、役員が自分ひとりだけの小さな会社(多くは合同会社、株式会社でも可)を別に持ち、役員報酬を低めに設定することで社会保険料の負担を抑える仕組みのことです。全体像はマイクロ法人 社会保険料削減スキームの完全解説をご覧ください。

期首残高は、会計ソフトの設定の中でいちばん質問が多い部分です。ここがずれているとその期の帳簿は最初から狂ったまま進みます。私も1期目に一度つまずいて、顧問税理士の先生に見てもらって直しました。

  • 期首残高とは何を入れるものなのか
  • 設立1期目のシンプルな構造
  • 2期目以降は前期から引き継ぐという原則
  • 合わないときの原因と直し方

期首残高は「スタート地点」

期首残高とは、その期が始まった時点で、会社が何をいくら持っていて、いくら払う義務があったかを登録するものです。マラソンでいうスタートラインを引く作業にあたります。

ここを入れないまま記帳を始めると、その期の取引だけが積み上がり、前から持っていたお金や債務が帳簿から消えます。結果として、口座残高と帳簿の現預金が一致しなくなります。

入れるもの
資産 現預金、売掛金、固定資産の帳簿価額
負債 未払金、預り金、借入金
純資産 資本金、繰越利益剰余金

この3つが「資産=負債+純資産」の関係で釣り合っていれば、正しく入力できています。釣り合わないというエラーが出るのは、どこかが抜けているか金額が違うためです。

設立1期目はシンプル

設立してすぐの会社は、ゼロからのスタートです。したがって期首残高も、基本的には資本金として払い込んだお金だけになります。

たとえば資本金10万円で設立し、そのお金が法人口座にあるなら、現預金10万円・資本金10万円という形です。これで資産と純資産が釣り合います。

つまずくのは設立前の支出

問題になるのは、会社ができる前に個人のお金で払った費用です。登記費用、印鑑の作成費、設立前に契約したサービスなどがこれにあたります。

これらは会社の口座から出ていないため、自動連携では取り込まれません。かといって無視すると、会社の費用が実態より小さくなります。創立費・開業費として整理する考え方がありますが、支出の内容や時期によって扱いが変わるため、金額が大きいものは顧問税理士に確認してから入力するのが安全です。初期設定全体の流れは記帳を会計ソフトで始める手順にまとめています。

資本金の払込と口座移動を取り違えない

設立手続き上、資本金は登記の前に発起人個人の口座へ払い込みます。法人口座が使えるのは設立後なので、あとから個人口座の資金を法人口座へ移すという流れになりがちです。

この移動を「売上」や「借入」として登録してしまうと、最初から帳簿が狂います。資本金の払込と、口座間の資金移動は分けて考えてください。

2期目以降は前期から引き継ぐ

2期目以降の期首残高は、前の期の決算書(貸借対照表)の数字をそのまま引き継ぐだけです。新しく考えるものではありません。

  • 前期末の現預金=当期首の現預金
  • 前期末の売掛金・未払金=当期首の売掛金・未払金
  • 前期末の利益の累計=当期首の繰越利益剰余金

同じソフトを使い続けていれば、期を繰り越す操作をするだけで自動的に引き継がれます。手で入れ直す必要があるのは、ソフトを乗り換えたときや、途中から入力を始めたときです。乗り換え時の注意点は会計データの保存とバックアップで扱っています。

合わないときの原因と直し方

「貸借が一致しない」と言われたときは、次の順で見ると原因が見つかりやすいはずです。

  1. 前期の決算書と1項目ずつ突き合わせる:転記ミスがいちばん多い
  2. 負債の入れ忘れを疑う:未払金・預り金は忘れられやすい
  3. 繰越利益剰余金の符号を確認する:赤字の場合はマイナスになる
  4. 固定資産の帳簿価額を確認する:取得価額ではなく償却後の残高を入れる

とくに2番と4番はよくある落とし穴です。預り金は「まだ納めていない源泉所得税や社会保険料」なので、期末時点で残っていれば必ず入ります。預り金の考え方は社会保険料の仕訳はどうする?役員報酬の仕訳はどう入力する?で解説しています。

4番は「いくらで買ったか」ではない

固定資産は、取得価額をそのまま入れるのではなく、前期末までに償却した分を差し引いた残高を入れます。ここを取得価額のまま入れると、資産が過大になり貸借が合いません。固定資産の管理は固定資産台帳の作り方を参照してください。

途中から入力を始めた場合

「設立から数か月放置して、あとから会計ソフトを入れた」というケースもよくあります。この場合の考え方は2つです。

方法 特徴
期首にさかのぼって全部入力する 帳簿が期首から通してつながる。おすすめ
途中の時点の残高を期首として入れる 楽だが、その期の取引が途中からになる

2つ目は一見ラクですが、決算では期首から期末までの全取引が必要になるため、結局さかのぼることになります。取引の少ないマイクロ法人なら、数か月分をまとめて入力してもそれほど時間はかかりません。最初から通しでつなげておくほうが、あとの手間が圧倒的に少なくなります

合っているかの確かめ方

入力が終わったら、次の2点だけ確認してください。

  • 期首時点の現預金が、その日の口座残高と一致しているか
  • 貸借が釣り合っているか(エラーが出ていないか)

この2つが通れば、スタート地点は正しく引けています。あとは日々の取引を積み上げるだけです。毎月の点検の型は月次試算表の読み方にまとめています。

期首残高を触ってはいけないタイミング

期首残高は修正できますが、直すと以降の残高がすべて変わります。だからこそ、触ってよい時期とそうでない時期があります。

状況 対応
入力直後に間違いに気づいた すぐ直してよい
期の途中で気づいた 直してよいが、以降の残高への影響を確認する
決算・申告が終わったあとに気づいた 自己判断で直さず税理士に相談する

3つ目が重要です。申告済みの期の数字を動かすと、提出した内容と帳簿が食い違います。金額の大小にかかわらず、まず相談してから対応してください。相談先の選び方はマイクロ法人の相談はどこにすべき?を参照してください。

税理士に引き継ぐときにも効いてくる

途中から決算だけ税理士に頼む場合、最初に確認されるのが期首残高です。ここが前期の決算書と一致していないと、その照合作業から始まることになります。

逆に、期首残高が正しく、期中の現預金も口座と一致しているなら、引き継ぎはほとんど手間なく終わります。期首残高を正しく入れておくことは、自分のためであると同時に、依頼する範囲を狭くしてコストを抑えることにもつながります。依頼範囲の考え方は決算、自分でやる範囲と税理士に頼む範囲で整理しています。

よくある質問(FAQ)

Q. 設立1期目の期首残高には何を入れますか?

A. 基本的には資本金として払い込んだお金だけです。現預金と資本金が同額で釣り合う形になります。設立前に個人が払った費用の扱いだけ、別途整理が必要です。

Q. 2期目も入力し直す必要がありますか?

A. 同じソフトを使い続けていれば、期を繰り越す操作で自動的に引き継がれます。手入力が必要なのは、乗り換えたときや途中から入力を始めたときです。

Q. 貸借が合わないと言われます。どこから見ればいいですか?

A. まず前期の決算書と1項目ずつ突き合わせてください。転記ミスが最も多く、次に未払金や預り金の入れ忘れ、固定資産の金額違いが続きます。

Q. 固定資産は買った金額を入れればいいですか?

A. 前期末までに償却した分を差し引いた残高を入れます。取得価額のまま入れると資産が過大になり、貸借が合わなくなります。

Q. 数か月放置していました。さかのぼって入力すべきですか?

A. 決算では期首から期末までの全取引が必要になるため、さかのぼるのが結局早道です。取引の少ないマイクロ法人なら、まとめて入力してもそれほど時間はかかりません。

💡 スタート地点を作ってしまえば、あとは積み上げるだけ(PR)

期首残高さえ正しく入れば、日々の取引は口座やカードの連携で自動的に積み上がります。設立直後の落ち着いている時期に、土台を作ってしまうのがおすすめです。

まとめ:1期目は資本金、2期目以降は引き継ぎ

この記事の要点を整理します。

  • 期首残高は帳簿のスタート地点。ずれると期全体が狂う
  • 設立1期目は基本的に資本金だけ。設立前の支出だけ別途整理する
  • 2期目以降は前期の貸借対照表をそのまま引き継ぐ
  • 合わないときは転記ミス・負債の漏れ・固定資産の金額を順に確認する
  • 期首の現預金が口座残高と一致すれば、スタートは正しい

期首残高は一度作ってしまえば、以後は自動で引き継がれていきます。最初だけ丁寧に、そして合わないまま先へ進まないこと。これだけ守れば、あとの帳簿はずっと素直に積み上がります。

※本記事は2026年8月時点の法令・運用を前提とした、筆者個人の理解と顧問税理士から聞いた内容に基づくものです。実際の判断は、顧問税理士・各機関にご確認のうえご自身の責任でお進めください。

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