【2026年版】マイクロ法人で携帯代・通信費を経費にする方法|家事按分と法人契約の考え方
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「仕事にもプライベートにも使うスマホ代、どこまで会社の経費にしていいの?」
「個人契約のままでも経費にできる?それとも法人契約にすべき?」
「按分するとして、割合はどうやって決めればいいの?」
最初に前提を整えておきます。この記事のマイクロ法人とは、個人事業を続けたまま、役員が自分ひとりだけの小さな会社(合同会社が主流で、株式会社でも構いません)をもう一つ設立し、役員報酬を低めに抑えることで社会保険料の負担を軽くする「マイクロ法人スキーム」を実現するための会社を指します。スキーム全体の考え方はマイクロ法人 社会保険料削減スキームの完全解説で詳しく解説していますので、土台から知りたい方はそちらもどうぞ。
通信費は、車や家賃ほど金額は大きくないものの、毎月かかるうえに私用と兼用しやすい費目です。私も顧問税理士の先生に相談したとき、「通信費は金額より、私用と事業の分け方を説明できるかが大事です」と言われました。この記事では、通信費に絞って、按分の考え方と法人契約への切り替えの判断材料を整理します。経費になる・ならないを断定するものではありませんので、判断の参考としてお読みください。
- 通信費が経費になる前提(事業で使っている実態)
- 個人契約のまま按分する場合の考え方と根拠づくり
- 法人名義に切り替えるメリットと手間
- 携帯・固定回線・モバイルWi-Fi・サブスクの区分
- 税務調査で問われやすい点
通信費が経費になる前提
通信費が会社の経費として認められるかどうかは、他の費目と同じく事業のために使っている実態があるかで考えます。連絡・調べもの・オンライン打ち合わせなど、会社の業務で通信を使っている実態があれば、その使用分を経費にする道が開けます。
逆に、事業でほとんど通信を使わない業種で高額な通信費を計上していると、「本当に事業で必要なのか」を問われやすくなります。まずは自分の事業で、どんな場面で通信を使っているかを一度書き出してみると、按分の考え方も整理しやすくなります。費目全体の線引きの基本はマイクロ法人の経費はどこまで認められるかでも扱っていますので、あわせて確認しておくと迷いが減ります。
個人契約のまま按分する場合
すでに使っているスマホやネット回線を、個人契約のまま事業使用分だけ経費にする方法です。契約を変えずに済むぶん手軽ですが、私用と事業の割合をどう決めたかを説明できるようにしておく必要があります。
按分割合の決め方の例
| 基準 | 考え方 |
| 使用時間 | 1日のうち業務で使う時間の割合から見積もる |
| 用途の内訳 | 通話・データ通信のうち業務利用の割合を目安にする |
| 回線の役割 | 主に業務で使う回線かどうかで割合を変える |
割合そのものに唯一の正解はありません。大切なのは「なぜその割合にしたのか」を一言で説明できることです。私は、使い方から割合を決め、その考え方を毎年の決算資料に一行添えるようにしています。「なんとなく全額」ではなく、根拠のある割合にしておくのが安全です。個人事業と法人の二刀流で、どちらの経費にするか迷う場面は二刀流の経費の分け方で整理しています。
立替払いの精算も記録に残す
個人契約の通信費を会社の経費にする場合、実際の支払いは個人の口座やクレジットカードから出ていることが多いはずです。この場合、事業使用分を会社が個人に精算する形になります。精算のたびに「いつ・いくら・どの費用の按分分か」を記録しておくと、支払い経路が個人であっても説明がしやすくなります。
件数が多くて精算が煩雑になるなら、主に業務で使う回線だけを法人契約に切り替えて経路を分ける、という整理も一つの方法です。手間と説明のしやすさのバランスで、自分に合うやり方を選んでください。
法人名義に切り替える場合
もう一つの方法が、携帯や回線を最初から法人契約にしてしまうやり方です。事業専用として使うなら、按分の悩みが減り、説明もシンプルになります。
| 観点 | 個人契約+按分 | 法人契約 |
| 手軽さ | 契約変更が不要で始めやすい | 契約の切り替え・新規契約の手間がかかる |
| 説明のしやすさ | 按分根拠を毎回説明する必要がある | 事業専用なら説明がシンプル |
| 私用の扱い | 私用分を除いて経費にする | 私用にも使うなら結局按分が必要になる |
ただし、法人契約にしても私用でも使うなら按分は避けられません。「事業専用の1台は法人契約、私用兼用の1台は個人契約のまま」というように、使い方で分けると整理しやすくなります。切り替えの手間と得られる効果を見比べて判断してください。
携帯・固定回線・サブスクの区分
通信費とひとことで言っても、中身はいくつかに分かれます。それぞれ事業関連性の説明のしやすさが違います。
- 携帯・スマホ:私用と兼用になりやすく、按分の根拠が必要になりやすい
- 固定回線・光回線:自宅兼事務所の場合、業務利用分の按分が基本
- モバイルWi-Fi:業務用として持つなら説明しやすいが、家族も使うなら按分を検討
- サブスク・クラウド利用料:業務で使うツールなら経費になり得るが、娯楽系は説明が難しい
とくにサブスクは、業務に使うツールと個人の娯楽が混ざりやすい費目です。何に使っているサービスかを整理し、業務との関連を説明できるものだけを経費にするのが安全です。計上できる費目の全体像はマイクロ法人で経費にできるもの一覧も参考になります。
税務調査で問われやすい点
通信費は毎月発生し、私用と混ざりやすいため、確認の目が向きやすい費目です。次のような点は、聞かれても説明できるように整えておきたいところです。
- 私用割合:按分の割合をどういう考えで決めたか
- 家族分の混在:家族の端末や回線料が混ざっていないか
- 事業との関連:その通信サービスが事業に必要な理由を説明できるか
- 名義と支払い経路:法人契約なら法人口座から、個人契約の按分なら精算の記録があるか
とくに家族分の料金がまとめて一つの契約に入っている場合は、按分の前に事業に関係する部分を切り出す必要があります。「なんとなく全部」にしないことが、後の説明を楽にします。
通信費は一件ごとの金額が小さいため、つい気軽に全額を経費に入れてしまいがちです。しかし毎月積み重なると年間ではまとまった額になり、私用分が多く含まれていれば、その分だけ指摘の対象になり得ます。金額が小さいからと油断せず、他の費目と同じように「事業でどれだけ使ったか」を基準に考える姿勢が、結果的に安心につながります。私も年に一度、契約内容と使い方を見直して、按分割合が実態からずれていないかを確認するようにしています。
よくある質問(FAQ)
Q. 個人のスマホ代を全額経費にできますか?
A. 私用にも使っているなら、事業で使った割合分を経費にするのが基本です。全額を経費にしようとすると、私用分が含まれているとみなされやすくなります。按分の根拠を残せる範囲で計上するのが安全です。
Q. 按分割合は何%にすればいいですか?
A. 一律の正解はありません。使用時間や用途の内訳など、自分の使い方に沿った根拠で決めるのが基本です。割合の数字より「なぜその割合にしたか」を説明できることが大切なので、根拠のメモを残しておいてください。
Q. 法人契約と個人契約、どちらがいいですか?
A. 事業専用で使うなら法人契約のほうが説明はシンプルです。私用と兼用なら個人契約のまま按分でも構いません。切り替えの手間と得られる効果を見比べて、自分の使い方に合うほうを選んでください。
Q. 動画配信などのサブスクは経費になりますか?
A. 業務に使うツールやサービスなら経費になり得ますが、娯楽目的のものは事業との関連を説明しづらいのが実情です。何に使っているかを整理し、業務関連性を示せるものに絞るのが安全です。
Q. 家族もいる家庭の光回線は経費にできますか?
A. 家族全員が使う回線でも、業務で使う分を按分して経費にする考え方は可能です。ただし家族の私用が大きい場合は事業使用分の割合が小さくなります。同居家族の利用も含めて、どの程度を業務で使っているかを説明できる範囲で計上してください。
Q. 端末代(スマホ本体)も経費にできますか?
A. 事業で使う端末なら、通信料と同じく事業使用分を按分して経費にする考え方が可能です。私用と兼用なら、通信料の按分割合とそろえて考えると整理しやすくなります。金額が大きい端末は資産計上が必要になる場合もあるため、処理方法は税理士に確認してください。
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口座やカードを連携しておけば、入出金の取り込みから仕訳の提案まで自動で回せます。取引の少ない小さな会社・個人事業ほど、最初の設定だけで毎月の手間が大きく変わります。
まとめ:通信費は「分け方を説明できるか」で考える
この記事の要点を整理します。
- 通信費が経費になるかは、事業で使っている実態があるかで決まる
- 個人契約のまま按分するなら、割合の根拠を残すことが重要
- 法人契約は事業専用なら説明がシンプル。私用兼用なら結局按分が必要
- 携帯・固定回線・サブスクは中身ごとに事業関連性を確認する
- 家族分の混在や私用割合が問われやすい。全額にせず根拠のある割合で
通信費は金額こそ大きくないものの、毎月積み重なり、私用と混ざりやすい費目です。「どこまで経費にできるか」を先に考えるより、「私用と事業をどう分けて、その根拠をどう残すか」から入ると判断がぶれません。最終的な可否は事業の実態と証拠が前提になりますので、迷う場合は顧問税理士に確認しながら進めてください。
※本記事は2026年7月時点の法令・運用を前提とした、筆者個人の理解と顧問税理士から聞いた内容に基づくものです。実際の判断は、顧問税理士・各機関にご確認のうえご自身の責任でお進めください。
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