【2026年版】マイクロ法人の社会保険料はいつ・どうやって払う?納入告知書と口座振替の実務ガイド
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「社会保険に入ったけど、保険料っていつ・どうやって払うの?」
「金額は自分で計算しないといけないの?」
「設立してしばらく経つのに請求が来ない。何か間違えた?」
マイクロ法人で社会保険に加入した後、次に待っているのが「毎月の支払い」という現実です。ここで言うマイクロ法人とは、個人事業主が役員一人の会社(合同会社が主流、株式会社でも可)を別途設立し、低めの役員報酬を設定することで世帯の社会保険料をぐっと抑える「マイクロ法人スキーム」のための法人のこと。そもそもの仕組みや削減額の考え方はマイクロ法人 社会保険料削減スキームの完全解説で解説しています。
加入手続き(新規適用届・資格取得届)のやり方は設立後の社会保険切り替え手続きに譲るとして、この記事は「加入した後、実際にどう払うか」に特化します。結論から言うと、金額は毎月送られてくる「納入告知書」に印字されてくるので自分で計算する必要はなく、口座振替にしてしまえば手間はほぼゼロです。
この記事でわかることは次のとおりです。
- 保険料は「翌月末納付」が原則という基本サイクル
- 毎月20日前後に届く「納入告知書」の読み方
- 口座振替・窓口・Pay-easyの3つの支払方法の比較
- 初回の請求はいつ来るか(「来ない=正常」のあるある)
- 賞与を出した場合の扱いと、滞納したときのペナルティ
基本サイクル:保険料は「翌月末納付」、金額は告知書に印字済み
社会保険料の納付サイクルはシンプルで、「当月分を翌月末までに納める」のが原則です。たとえば4月分の保険料は5月末が納付期限、5月分は6月末……というリズムで毎月続きます。
そして毎月20日前後に、年金事務所(日本年金機構)から法人宛てに「保険料納入告知書」が届きます。ここに当月納付すべき金額が印字されているため、自分で保険料を計算する必要はありません。私も設立当初は「標準報酬月額の表と突き合わせて検算しなきゃいけないのか」と身構えていましたが、顧問税理士の先生から「金額は告知書に書いてある。社長がやるのは期限までに払うことだけ」と言われて拍子抜けした記憶があります。
| タイミング | 起きること |
| 毎月20日前後 | 納入告知書が法人宛てに届く(当月末納付分=前月分の保険料) |
| 毎月末日 | 納付期限(口座振替ならこの日に自動引き落とし) |
支払方法は3つ。おすすめは口座振替一択
| 方法 | やり方 | 手間 |
| ① 口座振替 | 「保険料口座振替納付(変更)申出書」を年金事務所に提出。以後、毎月末に法人口座から自動引き落とし | ほぼゼロ(おすすめ) |
| ② 金融機関の窓口 | 納入告知書を持って銀行等の窓口で毎月支払う | 毎月出向く必要あり |
| ③ Pay-easy・電子納付 | 告知書の収納機関番号等を使い、ネットバンキングやATMから納付 | 毎月の操作が必要 |
マイクロ法人の場合、支払いは基本的に毎月同額で、何年も続きます。「保険料口座振替納付(変更)申出書」を一度出しておけば、あとは毎月末に自動で引き落とされて終わり。納付忘れのリスクも消えるので、加入手続きのタイミングで一緒に出してしまうのがおすすめです。振替がスタートするまでの1〜2か月は告知書での納付になることがあるため、その間だけ窓口かPay-easyでつなぎます。
あるある:「設立したのに請求が来ない」は正常です
設立直後によくある不安が「社会保険に入ったはずなのに、請求が何も来ない」というもの。これはほとんどの場合、正常です。
翌月末納付の原則どおり、資格取得月の分の保険料は、その翌月に届く納入告知書で初めて請求されます。たとえば5月に資格取得(設立・加入)した場合、5月分の保険料の告知書は6月20日前後に届き、6月末が納付期限。つまり設立から最初の請求まで1か月以上空くのが通常のスケジュールです。資格取得届の処理に時間がかかると、初回の告知書に2か月分がまとめて載ることもありますが、これも異常ではありません。
納入告知書の内訳を読み解く:3つの保険料の合算
告知書に印字される金額は、次の合計です。
- 健康保険料(40歳以上65歳未満の被保険者は介護保険料も込み)
- 厚生年金保険料
- 子ども・子育て拠出金(全額会社負担。子どもがいなくてもかかります)
ここで押さえておきたいのが、「本人負担分+会社負担分」の合計額が法人に一括請求されるという構造です。健康保険料と厚生年金保険料は本人と会社で半分ずつ負担する建前ですが、納付するのは法人がまとめて。本人負担分は、毎月の役員報酬から天引き(源泉控除)しておくのが正しい処理です。役員報酬の支払い時にいくら天引きするかの実務は役員報酬の払い方で詳しく解説しています。
なお金額そのものは役員報酬から決まる「標準報酬月額」で決まります。報酬をいくらに設定すると保険料がいくらになるかは役員報酬はいくらが最適かを参考にしてください。
賞与を出した場合:賞与支払届→翌月の告知書に上乗せ
役員賞与(事前確定届出給与など)を支給した場合は、支給後5日以内に「賞与支払届」を年金事務所に提出します。すると賞与にかかる保険料が計算され、翌月の納入告知書に通常の月額保険料に上乗せされる形で請求されます。ここでも自分で計算する必要はありませんが、翌月だけ引き落とし額が跳ね上がるので、法人口座の残高には注意しておきましょう。
滞納するとどうなる?→ 督促状・延滞金、最終的には差押えも
社会保険料を期限までに納めないと、次の順で進みます。
- ① 督促状が届く:指定期限までの納付を求められます
- ② 延滞金が発生:本来の納付期限の翌日から納付日までの日数に応じて加算されます
- ③ 財産の差押え:督促を無視し続けると、年金機構には法人口座等を差し押さえる権限があります
税金と同じで、社会保険料の徴収はかなり強力です。マイクロ法人は「うっかり忘れ」が滞納の最大の原因になりがちなので、繰り返しになりますが口座振替の設定が最良の防御策です。資金繰りが厳しくて本当に払えない場合は、放置せず年金事務所に相談すれば納付の猶予等の制度もあります。
よくある質問(FAQ)
Q. 納付期限の月末が土日・祝日の場合はどうなりますか?
A. 翌営業日(翌開庁日)が期限になります。口座振替の場合も同様に翌営業日に引き落とされるため、月をまたいだ引き落としになることがありますが問題ありません。
Q. 役員報酬を変更したら、保険料はいつから変わりますか?
A. 自動では変わりません。報酬変更で標準報酬月額が2等級以上動く場合などに「月額変更届」を提出し、要件を満たせば改定月から新しい保険料が告知書に反映されます。毎年の定時決定(算定基礎届)と併せて、書き方や提出タイミングは算定基礎届・月額変更届の書き方で解説しています。
Q. 退職金や配当にも社会保険料はかかりますか?
A. かかりません。社会保険料の対象は役員報酬(報酬月額)と賞与であり、役員退職金や株主・社員への配当は社会保険料の計算対象外です。この性質を出口戦略に使う考え方もありますが、税務上の論点が別にあるため、実行前に顧問税理士に相談してください。
Q. 告知書の金額が思っていたより高い(安い)です。どこを確認すべき?
A. まず自分の標準報酬月額が想定どおりの等級で登録されているかを、資格取得時の決定通知書やマイナポータルで確認しましょう。40歳になった月からは介護保険料分が上乗せされるので、誕生月前後の増額はそれが原因のことが多いです。それでも合わない場合は年金事務所に照会を。
Q. 口座振替の残高が足りず引き落としに失敗しました。どうなりますか?
A. 振替不能の場合は、後日届く納付書等で納付し直すことになります。期限を過ぎれば延滞金の対象になり得るため、気づいた時点で年金事務所に確認し、すみやかに納付してください。1回の失敗で即差押えになるわけではありませんが、放置は禁物です。
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まとめ:告知書を待って、口座振替で自動化するだけ
マイクロ法人の社会保険料の支払い実務を整理します。
- 保険料は「当月分を翌月末までに納付」。金額は毎月20日前後に届く納入告知書に印字済みで、自分で計算しなくてよい
- 支払方法は口座振替・窓口・Pay-easyの3つ。申出書を一度出せば済む口座振替が事実上の正解
- 初回の請求は資格取得月の翌月。設立直後に請求が来ないのは正常
- 告知書の金額は健康保険料+厚生年金保険料+子ども・子育て拠出金の、本人・会社負担分の合算。本人負担分は役員報酬から天引きしておく
- 賞与は支給後5日以内に賞与支払届。滞納は督促状→延滞金→差押えと進むため、口座振替で仕組み化して防ぐ
加入手続きが終わってしまえば、毎月の支払いは「告知書が来る→月末に引き落とされる」の繰り返しで、実務負担はごくわずかです。最初の1〜2か月だけ丁寧に流れを確認し、口座振替を設定して、あとは本業に集中しましょう。
※本記事は2026年7月時点の法令・運用を前提とした、筆者個人の理解と顧問税理士から聞いた内容に基づくものです。実際の判断は、顧問税理士・各機関にご確認のうえご自身の責任でお進めください。
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