【2026年版】マイクロ法人の1月にやること|法定調書・給与支払報告書・償却資産申告書の出し方
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「マイクロ法人の1月って、何を出せばいいの?」
「法定調書とか給与支払報告書とか、名前は聞くけど中身が分からない」
「一人社長でも償却資産申告書って必要なの?」
まず前提をそろえます。この記事のマイクロ法人とは、個人事業を本業として続けながら、役員が自分ひとりだけの小さな会社(多くは合同会社、株式会社でも可)を別に作り、その役員報酬を低めに設定することで社会保険料の負担を軽くする「マイクロ法人スキーム」の器のことです。仕組みそのものがピンとこない方は、まずマイクロ法人 社会保険料削減スキームの完全解説で全体像をつかんでから読むと、1月の手続きの意味も入ってきやすくなります。
マイクロ法人は取引が少ないぶん事務も軽めですが、それでも1月末が期限の書類が3種類あります。役員報酬を払っている以上、一人社長でも避けて通れません。私も初めての1月は「これで全部そろっているのか」と不安になりましたが、やることを分解すれば怖くありません。この記事でわかることは次のとおりです。
- 1月末が期限の「3点セット」の全体像
- 源泉徴収票と給与支払報告書(市区町村へ)の作り方・提出先
- 法定調書合計表(税務署へ)の役割
- 償却資産申告書は自分に必要かの判断
- 電子申請(eLTAX・e-Tax)でまとめて出す方法
1月末が期限の「3点セット」
まず全体像です。マイクロ法人の一人社長が1月に意識する書類は、大きく次の3つです。いずれも提出期限は1月31日が基本です(年により土日で前後することがあります)。
| 書類 | 提出先 | 内容 |
| 給与支払報告書 | 市区町村(従業員の住所地) | 1年間に払った給与・役員報酬を市区町村に報告(住民税の計算に使われる) |
| 法定調書合計表 | 税務署 | 給与や報酬などの支払いをまとめて税務署に報告 |
| 償却資産申告書 | 市区町村(資産の所在地) | 1月1日時点で持っている事業用資産を申告(固定資産税の対象) |
役員報酬を払っている一人社長なら、前の2つ(給与支払報告書・法定調書合計表)は基本的に対象になります。3つ目の償却資産申告書は、該当する資産があるかどうかで必要性が変わります。以下で順に見ていきます。
源泉徴収票と給与支払報告書(市区町村へ)
年末調整が終わると、1年間の給与・役員報酬と源泉徴収した所得税をまとめた源泉徴収票を作成します。マイクロ法人では、この「給与を受け取る人」が社長本人(と、いれば配偶者役員)だけなので、作る枚数はごく少数です。
この源泉徴収票と同じ内容を、給与支払報告書として、給与を受け取る人の住所地の市区町村に提出します。市区町村はこの情報をもとに、翌年度の住民税を計算します。つまり、これを出さないと住民税の計算に必要な情報が役所に届かない、という重要な書類です。一人社長の場合、自分の住む市区町村に自分の分を出す形になります。
役員報酬が低くても提出は必要
マイクロ法人は役員報酬を低めに設定するため、「こんな少額でも出すの?」と感じるかもしれませんが、金額の多い少ないにかかわらず、給与を払っていれば報告の対象になるのが原則です。少額だから省略してよい、とはならない点に注意してください。
法定調書合計表(税務署へ)
法定調書合計表は、会社が1年間に支払った給与・報酬・家賃などを種類ごとに集計して、税務署へ報告する書類です。マイクロ法人の場合、多くは「給与所得の源泉徴収票」に関する部分が中心になります。税理士や外注先に報酬を払っていれば、その支払調書に関する欄も関係してきます。
一人社長で、支払先が自分(と配偶者役員)くらいしかいないケースでは、記載する内容はシンプルです。とはいえ、給与支払報告書とセットで「1年間いくら誰に払ったか」を国と自治体の両方に報告する、という位置づけを押さえておくと、書く内容に迷いにくくなります。
償却資産申告書は自分に必要?
3つ目の償却資産申告書は、1月1日時点で会社が持っている事業用の資産(機械・器具・備品など)を市区町村に申告するもので、固定資産税(償却資産分)の計算に使われます。土地・建物は別の仕組みなので、ここでいう対象はパソコンや器具備品などの動産が中心です。
マイクロ法人で大きな設備を持たない場合、対象になる資産がほとんどない、というケースも珍しくありません。判断の目安として、市区町村ごとに課税標準額の合計が150万円未満だと課税されない(免税点)という仕組みがあります。ただし、課税されない場合でも申告自体は求められることがあるため、資産があるかどうかにかかわらず、まずは自分の市区町村の案内を確認するのが安全です。
私の場合、初年度は事業用資産がほぼなかったため負担は軽かったのですが、「対象があるか」の確認は毎年しています。判断に迷うときは、市区町村の資産税課や顧問税理士に確認すると確実です。
電子申請(eLTAX・e-Tax)でまとめて出す
これらの書類は紙でも出せますが、電子申請にすると、自宅から提出まで完結できて便利です。市区町村向け(給与支払報告書・償却資産申告書)はeLTAX(エルタックス)、税務署向け(法定調書合計表)はe-Taxが窓口になります。会計ソフトや年末調整ソフトから連携して出せる場合もあります。
社会保険の手続きを含め、こうした役所への電子申請の入口を一度整えておくと、毎年の事務がぐっとラクになります。マイクロ法人の各種手続きをネットで完結させる方法はGビズIDで社保手続きをネット完結でも紹介しているので、電子化をまとめて進めたい方は参考にしてください。
年末調整からの流れで一気に片付ける
1月の3点セットは、実は前年12月の年末調整と地続きです。年末調整で1年間の給与・源泉徴収額が確定すると、その数字がそのまま源泉徴収票・給与支払報告書・法定調書合計表に転記されていきます。つまり、年末調整→源泉徴収票の作成→給与支払報告書・法定調書合計表の提出という一本の流れで捉えると、別々の作業を寄せ集めるより格段にラクになります。私は毎年、年末調整を終えたその勢いで1月の提出物まで一気に片付けるようにしていて、そのほうが数字の転記ミスも起きにくいと感じています。会計ソフトや年末調整ソフトを使っていれば、この一連の書類を連動して作れる場合が多いので、手作業の負担はさらに減らせます。
なお、1月の提出物は年間スケジュールの一部にすぎません。決算・申告や社会保険の算定基礎届など、時期の決まった作業は一年を通じて発生します。全体の流れは設立後の年間スケジュールカレンダーで俯瞰できます。また、社会保険の算定基礎届・月額変更届の書き方は算定基礎届・月額変更届の書き方にまとめています。
よくある質問(FAQ)
Q. 一人社長でも1月の書類は本当に出さないといけませんか?
A. 役員報酬を払っていれば、給与支払報告書と法定調書合計表は基本的に対象です。金額が少なくても提出は必要と考えておきましょう。償却資産申告書は資産の有無で変わるので、市区町村の案内を確認してください。
Q. 役員報酬を0円にしていれば、1月の提出は不要ですか?
A. 給与の支払いが実際にない場合、給与関係の報告が不要になることはあります。ただし役員報酬0円だと社会保険に加入できず、スキームの前提が変わります。自分のケースがどうなるかは顧問税理士に確認するのが確実です。
Q. 給与支払報告書はどこの市区町村に出しますか?
A. 給与を受け取る人(社長本人など)の1月1日時点の住所地の市区町村に提出します。会社の所在地ではなく、受け取る人の住所地である点に注意してください。
Q. 償却資産が何もなければ申告しなくていいですか?
A. 対象資産がなければ課税はされませんが、市区町村によっては「該当なし」の申告を求められることがあります。案内に従って、必要なら「資産なし」として申告しておくと安心です。
Q. 提出が1月末に間に合わないとどうなりますか?
A. 期限に遅れると、住民税の計算や税務署の管理に影響が出ることがあります。難しければ電子申請を活用し、それでも回らない場合は早めに専門家へ相談してください。
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まとめ:1月は「3点セット」を早めに片付ける
この記事の要点を整理します。
- 1月末が期限の書類は給与支払報告書・法定調書合計表・償却資産申告書の3点
- 給与支払報告書は給与を受け取る人の住所地の市区町村へ
- 役員報酬が少額でも、給与を払っていれば報告は必要
- 償却資産申告書は資産の有無で変わる(免税点は150万円が目安)
- eLTAX・e-Taxを使えば自宅から電子提出で完結できる
1月の事務は、年末調整の流れから続けて片付けると効率的です。取引の少ないマイクロ法人なら書く内容もシンプルですが、期限は待ってくれません。早めに手をつけ、判断に迷う点は顧問税理士に確認しながら進めるのがおすすめです。
※本記事は2026年7月時点の法令・運用を前提とした、筆者個人の理解と顧問税理士から聞いた内容に基づくものです。実際の判断は、顧問税理士・各機関にご確認のうえご自身の責任でお進めください。
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