【2026年版】税務調査で請求書がない時の対処法|売上・経費の両面で対応
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「請求書を発行してこなかった売上は、どう説明すればいい?」
「外注先からの請求書を失くしてしまった…経費に入れられる?」
「請求書の保存義務って何年?インボイス制度後はどう変わった?」
請求書は、取引の事実と金額を示す重要な証憑です。売上計上の根拠として、また経費・仕入の証明として、どちらの場面でも欠かせません。それが手元になかった時、税務調査でどう対応すべきか、論点を整理します。税務調査全体の流れや来やすい人の特徴は個人の税務調査の流れと対応のコツで解説しています。
この記事では、現役のマイクロ法人社長として、また顧問税理士の先生から教わった内容をベースに、
- 請求書の保存義務(インボイス制度後)
- 請求書がない時の代替証憑
- 売上側・仕入側それぞれの論点
- インボイスがない時の仕入税額控除の扱い
- 再発行依頼・出金伝票での補強方法
を、わかりやすく徹底解説します。
請求書の保存義務はいつまで
請求書は、税法上の保存対象書類です。
| 事業者 | 保存期間 |
| 個人事業主(白色申告) | 5年間 |
| 個人事業主(青色申告) | 7年間 |
| 法人 | 7年間(欠損金繰越なら10年) |
| インボイス(適格請求書) | 原則7年間 |
この期間内に税務調査が来た時に「請求書がない」となると、論点になります。
請求書がない時の代替証憑
請求書を紛失した・元々作っていなかった場合、以下の証憑が代替になります。
- 発注書・注文書:取引の合意を示す
- 納品書・送り状:商品・サービスの引き渡しを示す
- 銀行振込明細:金額と日付の証明
- メール・LINEのやり取り:取引内容の特定
- 契約書:継続取引の基本ルール
- 業務報告書・成果物:実態の証明
顧問税理士の先生からは「請求書1枚より、複数の補強証憑の方が信頼性が高いこともある」とのアドバイス。請求書の代わりに、これらを組み合わせれば対応できます。
売上側の論点:請求書を出さなかった売上
個人事業主の中には、「現金取引でその場で受け取った」「LINEで合意して銀行振込してもらった」など、請求書を発行しないケースがあります。こうした売上の計上漏れは税務調査官が必ず見るNG経理の典型例です。
請求書がなくても売上計上の義務はある
請求書の発行有無に関係なく、実際に入金された金額は売上として計上する義務があります。「請求書を作らなかったから売上から外す」ことはできません。
調査でチェックされるポイント
- 銀行入金履歴と申告売上の整合性
- 取引先からの「支払調書」との照合
- 業務日報・予約管理表との突合
- 顧客リスト・販売記録の有無
仕入・経費側の論点:請求書を失くした場合
仕入や経費の請求書がない場合、特にインボイス制度後は厳しい論点になります。
経費としての扱い
請求書がなくても、「支払いの事実」と「事業との関連性」が確認できれば、経費として計上できる可能性があります。代替証憑(銀行振込明細・契約書・納品書等)と組み合わせて立証します。領収書をなくした場合の考え方も基本は共通なので、税務調査で領収書がない時の対処法もあわせてご覧ください。証憑がない経費を領収書なしで経費にする具体策も役立ちます。
消費税の仕入税額控除はより厳しい
インボイス制度後、消費税の仕入税額控除は「適格請求書(インボイス)」の保存が原則必須になりました。これがないと、原則として仕入税額控除が認められません。
ただし、当面は経過措置として、免税事業者からの仕入も一定割合の控除が認められています:
| 期間 | 免税事業者からの仕入の控除割合 |
| 2023年10月〜2026年9月 | 80%控除 |
| 2026年10月〜2029年9月 | 50%控除 |
| 2029年10月以降 | 原則ゼロ |
再発行依頼・出金伝票での補強
取引先に再発行依頼
請求書がない場合、まずは取引先に再発行を依頼するのが最善策。電子データで保存していれば、再発行は比較的容易です。
出金伝票・帳簿で補強
再発行が難しい場合、出金伝票・支払明細で記録を残し、銀行振込履歴や契約書と組み合わせて、取引の実態を立証します。
日常の備え:5つの実務
- ① 自分の請求書を必ず発行する:相手が求めなくても作成
- ② 受領した請求書はすぐ電子化・ファイリング
- ③ 取引先別・月別の整理を徹底
- ④ クラウド会計と連携:明細自動取込で漏れを防ぐ
- ⑤ 重要取引は契約書を必ず締結:請求書がなくても契約書で立証
よくある質問(FAQ)
Q. 請求書を発行しないと違法ですか?
A. 請求書発行自体は義務ではありません。ただし、取引相手が消費税の仕入税額控除を取るには、適格請求書(インボイス)の受領が必要なため、BtoB取引では実質的に発行が前提になっています。
Q. メールでのやり取りで請求書代わりにできますか?
A. 必要事項(取引内容・金額・日付・取引先)が記載されていれば、請求書相当として認められる場合があります。ただし、形式的に請求書を作成する方が確実です。
Q. インボイスがない取引は経費にできない?
A. 所得税・法人税の経費としては計上可能です。消費税の仕入税額控除はインボイスがないと原則不可ですが、所得税・法人税の経費要件は別です。
Q. 数年前の請求書を紛失していた場合、追徴の対象になる?
A. 請求書がないだけで自動的に追徴とはなりませんが、代替証憑で立証できない場合は経費否認のリスクがあります。代替証憑を整える努力が重要です。
Q. 取引先が廃業して再発行依頼ができない場合は?
A. 銀行振込明細・契約書・メール履歴等の複数の代替証憑で立証します。出金伝票での補強も有効です。
Q. 電子保存している請求書は、紙で印刷も必要ですか?
A. 電子帳簿保存法の要件を満たしていれば電子データのみで保存OK。むしろ印刷物より検索性が高く、税務調査でも有利です。
まとめ:「複数の証憑」で請求書の不在をカバー
請求書がない時も、銀行履歴・契約書・メール・出金伝票など、複数の代替証憑を組み合わせれば、税務調査での立証は可能です。日頃から取引の証跡を意識的に残しておくことが、最大の防御になります。税務調査で否認されないための対策もあわせて押さえておきましょう。
- 請求書の保存期間は青色7年・白色5年
- 代替証憑(銀行明細・契約書・メール等)で立証可能
- 売上は請求書の有無に関係なく計上義務
- 消費税の仕入税額控除はインボイスが原則必要
- 免税事業者からの仕入は経過措置で部分控除可能
本記事を参考に、請求書管理の体制を整えてください。具体的な対応は、顧問税理士にご相談ください。
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※本記事は2026年6月時点の法令・運用を前提とした、筆者個人の理解と顧問税理士から聞いた内容に基づくものです。実際の判断は、顧問税理士・税務署にご確認のうえご自身の責任でお進めください。
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