【2026年版】会社設立時の株価(株式の発行価額)はどう決める?1株あたりの金額と資本金の関係
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「会社を設立する時、1株いくらに設定すればいいの?」
「資本金100万円で100株、それとも10株?決め方の基準がわからない…」
「将来増資や株式譲渡を見据えて、どう設計すべき?」
会社設立の準備で、意外と多くの方が悩むのが「株式の発行価額(株価)」の決め方です。資本金は決められるけれど、それを何株で発行するか、1株あたりいくらにするかには明確な正解がなく、自由に設定できます。だからこそ、慎重に設計する必要があります。そもそも会社を作るべきか迷っている段階なら、会社設立のメリット・デメリット比較から確認するとよいでしょう。
この記事では、現役のマイクロ法人社長として、また顧問税理士の先生から教わった内容をベースに、
- 「株価」と「資本金」の関係性
- 1株あたりの金額の決め方、典型パターン
- 将来の増資・株式譲渡を見据えた設計
- 事業承継・相続時に直面する「株価評価」の話
- 株主が複数いる場合の注意点
を、わかりやすく徹底解説します。
「株価」と「資本金」の基本関係
まず基本ルールから整理します。株式会社の資本金は、発行する株式の数と1株あたりの金額の掛け算で決まります。
計算式はシンプル:
資本金 = 発行株式数 × 1株あたりの発行価額
例:
- 資本金100万円 = 100株 × 1株1万円
- 資本金100万円 = 1,000株 × 1株1,000円
- 資本金100万円 = 10,000株 × 1株100円
つまり、資本金額が同じでも、「何株発行するか」「1株いくらにするか」は自由に決められます。設立時の株主が一人なら、この設計次第で何か実害があるわけではありません。だからこそ、「将来を見据えた設計」がポイントになります。
マイクロ法人での「典型パターン」3つ
顧問税理士の先生に伺ったところ、設立時の株価設定には3つの典型パターンがあります。
| パターン | 1株あたり | 資本金100万円の場合の株式数 | 特徴 |
| A. シンプル型 | 1万円 | 100株 | 計算が楽、株主構成の管理がしやすい |
| B. 中間型 | 1,000円 | 1,000株 | 将来の譲渡・配当の柔軟性が高い |
| C. 細分化型 | 100円〜500円 | 2,000〜10,000株 | 株主が増えた時の細かい調整が可能 |
マイクロ法人・一人社長の場合、A.シンプル型が最も多く選ばれます。株式数が少ない分、登記事項の管理も楽で、思考のコストが低くなります。
1株あたりの金額を「小さく」する方が良い場合
以下のようなケースでは、1株あたりの金額を小さく(株式数を多く)設定する方が有利です。
- ① 将来、複数の株主に分配する予定:細かく分けられる方が柔軟
- ② 増資を見据えている:1株あたりの金額を低くしておくと、新株発行の自由度が高い
- ③ 従業員にストックオプションを発行する計画:細かい単位で配分しやすい
- ④ 将来上場を視野に入れている:株式分割を見越して、最初から細かく刻む
1株あたりの金額を「大きく」する方が良い場合
- ① 一人社長で完結する小規模事業:シンプルで管理が楽
- ② 事業承継先が決まっている:株主構成を細かく変える必要がない
- ③ 銀行などへの説明をシンプルにしたい:株主構成の説明が簡潔
資本金額そのものをどう決めるか
株価の前に、そもそも「資本金をいくらにするか」も重要な論点です。
マイクロ法人で推奨される資本金の範囲
| 資本金 | メリット | デメリット |
| 100万円未満 | 最小限のコスト | 信用面で大きなマイナス |
| 100〜500万円 | 初期コストと信用のバランス | 特になし |
| 500〜999万円 | 信用が高く、消費税免税のメリットも | 初期資金の負担 |
| 1,000万円以上 | 信用度がさらに高い | 消費税免税が適用外、均等割が高くなる |
顧問税理士の先生からのアドバイスでは、「999万円以下に抑えるのが王道」。理由は、資本金1,000万円以上だと設立初年度から消費税の納税義務が発生するため、初年度の消費税免税のメリットが失われるからです。なお、資本金を実態以上に大きく見せる「見せ金」は重大な法的リスクを伴うため、見せ金の法的リスクと正しい資本金準備も必ず押さえておきましょう。設立後にかかる費用感まで含めて、マイクロ法人の費用とメリットを把握しておくと予算が立てやすくなります。
将来を見据えた株式設計の3つの考慮点
① 配当による所得分散の可能性
将来、利益が出てきた時に配当を出すなら、株主構成と株式数が重要です。家族を株主に入れて配当を分散すれば、所得税の累進を回避できます。
例えば、配偶者・子に株式を一部譲渡しておけば、配当所得を分散できます。ただし、株式譲渡には「適正な株価」が必要で、低額譲渡は税務署に否認される可能性があります(みなし贈与)。
② 株式譲渡で事業承継する場合
将来子供や後継者に事業を譲る場合、株式譲渡が一般的な方法です。この時、株価が高すぎると贈与税・所得税の負担が重くなるため、株価を計画的にコントロールすることが重要になります。
③ 第三者からの出資を受け入れる場合
スタートアップとして外部投資を受ける場合、新株発行で資本金を増やすのが一般的です。この時、最初の株価設計が大きく影響します。1株あたりが高すぎると、少額出資が難しくなります。
事業承継・相続時の「株価評価」の話
顧問税理士の先生から特に強調されたのが、「設立時の株価と、相続・贈与時の株価は別物」という点。
設立時の株価は、出資者と会社の間で決められた「発行価額」。しかし、相続や贈与で株式を移転する場合は、「相続税法上の株価評価」が適用され、利益剰余金・純資産・類似業種比準などの要素から算定される「実態株価」になります。
例えば設立時に1株1万円で発行した株式が、10年後に利益が積み上がって1株10万円になっている、ということもあります。事業承継の場面では、この実態株価が問題になるため、計画的な株価コントロールが必要です。
株価を下げる主な手段
- 役員退職金の支給:純資産が減って株価が下がる
- 不動産・含み損のある資産の取得:資産評価が下がる
- 赤字決算の活用:類似業種比準で評価が下がる
- 事業承継税制の活用:株価評価額そのものの減免
これらは高度な税務戦略で、必ず税理士と連携して進める必要があります。
複数株主がいる場合の注意点
夫婦・親族・共同創業者など、株主が複数いる場合は、持株比率が経営権に直結します。
| 持株比率 | 意味 |
| 3分の2以上 | 定款変更・合併など特別決議が単独で可能 |
| 2分の1超 | 役員選任・解任・配当決定など普通決議が単独で可能 |
| 3分の1超 | 特別決議を阻止できる「拒否権」 |
| 3分の1以下 | 少数株主としての権利のみ |
夫婦経営で「50:50」にすると、意思決定で対立した時に動けなくなるリスクがあります。実務的には「51:49」などで主導権を明確にするのが推奨されます。夫婦で会社を設立する際の役員報酬・社会保険の設計は夫婦で会社を設立するメリット・デメリットで掘り下げています。配当と並んで悩ましい役員報酬の決め方は役員報酬の最適解も参考にしてください。
よくある質問(FAQ)
Q. 1株1円にしてもいいですか?
A. 法的には可能です。会社法上「1株あたり1円以上」という規定はなく、自由に設定できます。ただし、極端に低い金額にすると、将来の譲渡・配当時に「不自然な株価」と税務署に疑われるリスクがあります。最低でも1,000円〜1万円程度に設定するのがおすすめです。
Q. 株主名簿を作る必要はありますか?
A. はい、株式会社は株主名簿の作成・備置が法律で義務づけられています。設立時に作成し、株主の変更があるたびに更新します。
Q. 後から株価を変更できますか?
A. 一度設定した株式の「発行価額」自体を遡って変えることはできません。ただし、「株式分割」や「株式併合」によって、1株あたりの実質的な金額を変えることは可能です。例えば1株10万円を10分割すれば、1株1万円相当に細分化できます。
Q. 合同会社にも株価はありますか?
A. 合同会社には「株式」がないため、株価という概念もありません。代わりに「出資口数」という形で出資者の権利を表現します。一人社長で合同会社を設立する場合、出資口数は気にせず、出資額だけ決めれば十分です。
Q. 配当を出さない予定でも、株価設計は重要ですか?
A. 設立時に配当の予定がなくても、将来の事業承継・相続で株価が必ず問題になります。10年後・20年後を見据えた設計が大切です。
Q. 増資の時、1株あたりの金額はどう決めるべき?
A. 既存株主との公平性を保つため、「直前の株価評価」を参考に決めるのが原則。第三者割当増資の場合は、適正な株価で発行しないと、贈与・受贈とみなされる可能性があります。税理士と相談して決めてください。
まとめ:「シンプルさ」と「将来の柔軟性」のバランスで決める
設立時の株価は、「会社の未来をどう描くか」で決まります。一人社長で小さく経営するならシンプルに、将来増資や事業承継を見据えるなら細かく設計、という方針が一般的です。
本記事のポイントをまとめます:
- 資本金 = 発行株式数 × 1株あたりの発行価額
- マイクロ法人の典型は「100万円 = 100株 × 1万円」のシンプル型
- 将来の譲渡・増資を考えるなら、1株1,000円程度の中間型もあり
- 資本金は999万円以下に抑えるのが王道
- 事業承継・相続時の実態株価は、設立時とは別物
- 複数株主の場合、持株比率の設計が経営権に直結
本記事を参考に、株式設計を進めてください。具体的な株価・株式数の決定や、将来の事業承継戦略については、顧問税理士にご相談ください。
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※本記事は2026年6月時点の法令・運用を前提とした、筆者個人の理解と顧問税理士から聞いた内容に基づくものです。実際の判断は、顧問税理士・税務署にご確認のうえご自身の責任でお進めください。
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