法人化を迷っているフリーランスや個人事業主の方へ:知っておきたい「会社を作らない方がいい10の理由」と「設立の本当のメリット」
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フリーランスや個人事業主として活動していると、「会社を作った方がいいのでは?」という話を耳にすることも多いのではないでしょうか。特に、法人化すれば税金が安くなる、信用力が上がる、インボイス制度への対応が楽になるといった理由で、法人化を検討する方も少なくありません。
しかし、法人化には想像以上のデメリットや手間があり、必ずしも全ての方にとって最適な選択ではないことをご存知でしょうか?今回の記事では、「会社を作らない方がいい10の理由」を具体的にご紹介しつつ、それでも法人化を選ぶべき「本当のメリット」について掘り下げていきます。
なお、「完全に法人へ移行する」以外にも、個人事業を続けたまま役員一人だけのミニマムな法人(合同会社が選ばれやすい)を併設し、役員報酬を低く抑えて社会保険料の負担だけを軽くする「マイクロ法人」という中間的な選択肢もあります。フル法人化を迷っている方ほど比較検討の価値があるので、マイクロ法人 社会保険料削減スキームの完全ガイドと個人事業主との二刀流戦略もあわせてご覧ください。
会社を作らない方がいい10の理由
1. 法人税は実はそれほど安くない
法人税率(22~35%)は、最高55%の所得税率に比べると安く感じます。しかし、所得が1,000万円以下の場合は、個人事業主として利用できる「青色申告特別控除(65万円)」やその他の控除が影響し、法人化しても税金の負担がほとんど変わらない、もしくは逆に増える場合があります。税率だけを見て安易に判断するのは危険です。
2. 法人名義の銀行口座開設が難しい
個人名義の口座は簡単に作れますが、法人名義の口座を開設する際には「会社の信用力」や「事業実績」が求められます。新設法人の場合、特に大手銀行での口座開設は難しく、最終的に地方の信用金庫やネットバンキングに頼るケースが多いです。こうした手間を考えると、法人化直後は思ったように資金管理がスムーズにいかないことも。
3. 登記手続きが煩雑
会社設立時の登記手続きはもちろん、役員変更や事業内容の変更があるたびに追加で登記が必要です。さらに、登記簿には社長の住所が記載されるため、プライバシーの問題が生じる可能性もあります。著名人や個人情報を守りたい方にとって、これは大きなデメリットと言えるでしょう。
4. 株主間のトラブルが起きやすい
複数の人で資本金を出し合って会社を設立すると、株主間で意見の相違が発生することがあります。特に事業が成功した場合、株価の評価が高まり利益配分や経営権をめぐる争いが起きるリスクがあるため注意が必要です。
5. 社会保険料の負担が増加
法人化すると、社員や役員が社会保険に加入することが義務化されます。従業員の人数が増えるほど、会社が負担する社会保険料のコストも大きくなります。また、労働時間の管理や雇用契約書の整備など、労務関連の業務も増えるため、法人化の手間が一気に増大します。
6. 厳選徴収の事務負担が発生
法人になると、社員や外注先に支払う報酬について、源泉徴収を行い税務署に納付する義務が生じます。これまで個人事業主として「確定申告の際にまとめて納付」していた税金を、法人では毎月計算して納付する必要があるため、経理業務が大幅に増加します。
7. 自分の給料やボーナスが自由に調整できない
法人化した場合、自分(社長)や役員の給料は1年間変更できません。そのため、急な収入の変動や経費の増加に対応しづらくなるデメリットがあります。また、ボーナスを支給する際にも事前の届け出が必要です。
8. 税務調査のリスクが高まる
個人事業主に比べて、法人は税務調査が入る確率が高まります。法人の実地調査の割合はおよそ「3%」とされており、単純計算すると30年運営して平均1回程度、30年のうち一度でも調査を受ける確率は6割ほどになります。「必ず来る」わけではありませんが、個人事業主より確率が上がるのは事実です。調査対応には数日間かかることもあり、スケジュールの調整が求められます。
9. 節税目的の保険がそれほどお得でない
かつては法人化して保険を活用することで税金を節約する手法がありましたが、近年の税制改正によりそのメリットは大幅に減少しています。現在では、保険を節税目的で利用する効果はほとんど期待できません。
10. 税理士報酬が増加
法人化すると、税理士に支払う報酬が個人事業主の3倍程度に跳ね上がることが一般的です。法人の申告書は提出書類の量が膨大で、月々の経理サポートが必要になるため、税理士報酬が大きな固定費としてのしかかります。
それでも会社を作るべき「本当の理由」とメリット
ここまで法人化のデメリットを紹介してきましたが、それでも法人化を選ぶべき大きな理由が1つあります。それは 「信用力の向上」 です。
株式会社という形態を持つことで、ビジネスパートナーや取引先、金融機関からの信用が格段に上がります。また、銀行からの融資を受けやすくなり、補助金申請や資金調達もスムーズに進められるようになります。この「信用力」の向上こそが、法人化を選ぶ最大のメリットと言えます。
※図の「税務調査」の表現について
図では「3%の確率で税務調査が行われ、30年運営すればほぼ確実に調査が実施される」としていますが、正確には30年のうち一度でも調査を受ける確率は6割ほどです(毎年3%として計算した場合)。平均すると30年で1回程度という水準で、「必ず来る」わけではありません。ただし個人事業主より確率が上がるのは事実です。
よくある質問(FAQ)
Q. 法人化すれば必ず税金は安くなりますか?
A. 必ずしも安くなるとは限りません。法人税率は22〜35%で、最高55%の所得税率と比べると低く見えますが、所得が1,000万円以下の場合は青色申告特別控除(65万円)などの効果もあり、負担がほとんど変わらないか逆に増えることもあります。税率だけで判断せず、自分の所得水準で試算してもらうのが確実です。
Q. 設立したばかりの法人でも銀行口座はすぐ作れますか?
A. 個人名義の口座ほど簡単ではありません。法人口座の開設では会社の信用力や事業実績が見られるため、新設法人はとくに大手銀行での開設が難しく、地方の信用金庫やネット銀行に落ち着くケースが多くなります。設立直後は資金管理が思うように進まない前提でスケジュールを組んでおくと安心です。
Q. 社長である自分の給料は、途中で自由に変えられますか?
A. 原則として1年間は変更できません。役員報酬は期の途中で自由に増減できないルールになっているため、収入の急な変動や経費増に対応しづらくなります。ボーナスを出す場合も事前の届け出が必要です。
Q. 法人になると税務調査は入りやすくなりますか?
A. 個人事業主より確率は上がります。法人の税務調査はおよそ3%の確率とされ、単純計算では30年運営すればほぼ一度は当たる水準です。調査対応に数日かかることもあるので、日頃から帳簿と証憑を整えておくことが結局いちばんの備えになります。
Q. デメリットが多いなら、法人化する意味はどこにありますか?
A. 最大の理由は「信用力の向上」です。会社という形態を持つことで取引先や金融機関からの信用が上がり、融資や補助金申請、資金調達が進めやすくなります。まずは個人事業主として始め、事業が安定した段階で法人化するのが現実的な進め方です。
まとめ:法人化の決断は慎重に
法人化には大きなメリットもあれば、想像以上の手間やコストがかかるデメリットも存在します。特に、所得が少ない段階で法人化してしまうと、得られるメリットよりも負担が大きくなることが多いです。
法人化を検討している方は、まずは個人事業主として事業をスタートさせ、事業が安定した段階で法人化を進めるのがおすすめです。また、法人化を検討する際には、税理士や会計士などの専門家に相談し、適切な判断を下すことが重要です。
ぜひこの記事を参考に、あなたの事業運営にとって最適な選択をしてください!
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